12年前の景色

 

 

今夏出版する写真集「PeelingCity」。毎回写真集を作っていて思うのは、最後まで妥協せずにセレクト作業を何回でも繰り返せば良かったということに尽きる。ここだけはデザイナーさんも何も出来ない場所。今回は伊野耕一さんにADをお願いして、200ページほどのちょっと大きめな本になる予定。

 

そんなこんなで今現在、2005年のデータを見ている。αSweetデジタルで撮っていた頃。

 

もう12年前、干支が一回りした昔の写真のはずなのだけどなんか自分のなかでは特になにも変わっていない。

 

というか年々、下手になっている気がしてならない。これは心を入れ替えねばならん!

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かっぱおじさんのえびせん

 

 

 

最近はあまりに観光地化してしまって行く気がしなくなってしまったが、ちょっと前までは図書館に行って、みなとみらい地区を撮るのが「いつものコース」であった。港町横浜を肌で感じながら、一人至福の時間を過ごしていた。言うまでもなく私が写真を始めた頃は、すでにかつての横浜から見ると万博もありだいぶ変わったのだろうが、残り香のようなものはかすかにあった。あぶない刑事のDVDを見ると、赤煉瓦倉庫もぺんぺん草が生えていた、80年代の横浜が見れて大変楽しいものである。

ランドマークタワーから山下公園の方へ行くと、大抵かもめにあげるえさを売っているおじさんがいた。えさというのは「かっぱえびせん」の事なのだが、おじさんは観光客にそれを売りに来ていた。今思えば、寿町に暮らしていて、そういうスタイルで生活の糧を得ていたのかもしれないが、これは推測でしかない。おじさんはいつも暇そうにしているので、よく話をした。本当になんてことない話であったが。

ただ、ある時からぱっとおじさんの姿が見えなくなってしまった。
どうしたのだろう、今もってそれは分からない。

写真というものはそうして初めて価値が出るようなものだから残酷なものでもある。