縦写真の練習はじめました。

 

おそらく仕事の写真はともかくとして、作品として撮った写真に関して言えば今年に入ってからは99%が横写真だと思う。写真集に使った写真も横写真オンリーだし、時に縦写真は主観的な視線であり横写真は客観的な視線だという。

 

それは確かにそうだなと納得して撮ってきたが、この狭い日本においては疑問の余地が生まれてきたのである。

 

景色を見るに、木は上にのび、我々人間も同様だ。ビルとアンドスクラップによってニョキニョキと都会に立ち並ぶビル群も同様に上へ向かっている。重力によって支配されたこの世界に客観性を求めるのであれば、この時代縦写真のほうが素直なのではないか。

 

そうこう思考しているうちに、ようやく全く理解のできなかった横浜美術館で見た中平卓馬の写真を思い出すに至るのである。もっと縦写真に向いたカメラがあればいいのではないかとも思うが、それを言ってもはじまらない。そんなわけで645Dで快適に縦写真を撮る練習を始めたのである。

中沢新一氏より推薦文をいただきました。

 

26日にふげん社より発行される写真集「PeelingCity」に、思想家、人類学者である中沢新一氏より推薦文をいただきました。

 

日本の都市は少しも構築的に作られていないので、真実に近づくために、脱構築の方法はおよそ有効ではない。

新納氏はそこでPEELINGという方法を考え出した。

 

鋳鉄のもろくなっている上皮がはがれること、剥脱することという工業用語だ。

東京にこの方法をラジカルに適用すると、はがれた上皮の下からすぐにピンク色の皮下質が出てくる。

粘液がにじみ出てくる。

 

写真は気配を撮るものという通念を超えて、彼は都市の上皮の下の唯物論的運動を撮ろうとしたのである。

 

中沢新一

 

 

 

写真集「PeelingCity」は絶賛予約受け付け中です。25日までの予約された方には特別オリジナルプリントが付きます。

お求めはこちらふげん社より承っております。

 

写真展会期:9/26(火)〜10/7(土)

イベント

10/6(金)19時〜 ギャラリートーク飯沢耕太郎(写真評論家)×新納翔+出版記念パーティー
9/30(土)14時〜 新納翔とゆく築地撮影会(定員20名)

 

PeelingCity  new photo book release 26th Sep from Sho Niiro on Vimeo.



写真集価格:5,500円(税別)
縦249mm×横255mm×幅17mm|138頁|
上製本|クロス装

テキスト:飯沢 耕太郎(写真評論家)
デザイン:伊野 耕一(INO DESIGN)

印刷:渡辺美術印刷株式会社
ペーパー協力:マルマン株式会社

天国までの杖

 

山谷で働いて6年になる。
うちの宿には17年住んでいる人がいる。

「おれはバラシの名人なんだ。なんだってやってしまうぜ。」 
仕事のことを色々と話してくれた。

4年前病気で入院し仕事に行く回数も減った。 
3年前からは仕事に行くことはなくなった。 

去年大きな手術をした。 

「おれはこの監獄で何とか生きている。いつ生けるのだか」 

今年になって初めて杖を買った。 

「役所にいけば貰えるんだけど人がくれたものを気にいらねー」

 持っているのはオーダメイドのドイツ製。 

慣れない杖の練習がてら役所に行くと先ほど出かけて行った。 

「天国まで杖ついていけんのかね」

 

 

昔の寫眞帳より