縦写真と現代都市

 

今まで上梓してきた写真集に収められている写真は、山谷のものにしろ、築地にしろほぼほぼ横写真だ。おそらく9割くらいになるんじゃないかと思う。実際撮影していても、縦写真は一日1枚撮るくらいのもので縦写真を撮ることには慣れていないため、変な筋肉を使っている感じがする。

 

今回出版した「PEELING CITY」も総じて横写真。ところがこの所、妙に縦位置の写真が気になっている。よく縦位置は主観的で横位置は客観的な視線であると言われるが、もっと根本的なところに縦写真の存在があるように思えてきたのだ。

 

これは広い海外の都市等では通じるかもしれないが、この狭い日本においては必ずしもその限りではないのかという可能性。ビルトアンドスクラップされる都市、空に向かって伸びていく高層マンション群、多くのものが上へ上へと向かって伸びていく。それは狭い東京という都市において、失った地表から逃げるように蔦が這うかのごとく。我々人間とて、木もそうだ。

 

海の果てが滝のように思われていた大航海時代、人間は遠く遠くへと、紛れもない横移動を行っていた。

 

現在、ヒューマノイドは宇宙空間を目指し、遠く遠く縦移動を行っている。

 

2017年、縦写真こそ自然な写真だと位置づける。

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