【レビュー #1】タムロンSP 45mm F1.8 Di VC USD

 

 

 一昨年タムロンから発売さらたこの単焦点レンズ「45mm F1.8 Di VC USD」、長いこと気に入っていたがどうしたわけかレビューの声が聞こえてこない。シグマはArtシリーズに定評を得て純正を超えたかという評価を得ているのに対し、こちらは購入にいたって少々勇気がいるというのが正直なところではなかろうか。

 

 自分も不安半分で購入したが、結論から言ってしまうとこれは「類を見ない神レンズ」だと重う。優等生的なレビューはこちら(フォトヨドバシ)に任せるとして、自分が使ってきて思ったレビューを素直に記してみたい。ちなみに自分は金色の枠がついたフィルターをつけているので写真のように金枠が出ているが、これは個人的にはオススメである。

 

■ネットで聞こえる酷評

 

 タムロンの単焦点といえば90マクロが銀塩時代から有名であったが、このシリーズは非常にチャレンジングなものだと思う。世界初、単焦点レンズに手ぶれ補正が付き1.8という明るさとはいえ、同じ焦点距離の「コンタックスのCarl Zeissテッサー45mm」などど比較すると非常に大きく重い。このレビューは5DMark3につけて撮影したものだが、普段が645D使いであること、カメラはある程度重い方がしっくりすると考えている私ならではのレビューとすると世間の評価とはいささか差異があるやもしれぬ。

 

 自分も購入するにあたりネットでしらべた結果以下の点が欠点とされていた。

 

・もっさりと遅いAF

・撮影状況によって派手にでるフリンジ

・シグマArtシリーズの存在

 

 他にもいくつか散見されたが代表的なものはこんな所だと思う。おそらくこのレンズを購入するにあたりネットで評判を調べるとこれらの意見がもっとも多く見かけるはずだ。

 

 

■AF遅いの?

 

 

 AF速度は人それぞれ、用途によっても異なるが、自分の使う範囲によってはそれほど気にならない。それどころか、シチュエーションによってはかなり早く、合焦しているのに気づかないこともある。もちろんキヤノンの爆速といわれるレンズからするとワンテンポ遅いのは確かだが、この写真のように目の前の被写体に気付いてパッと撮るストリートスナップにおいては何ら問題はない。おそらくこの動作は0.5秒くらいの話しである。

 

 ちなみに私は中央1点しかつかわないが、ピンをあわせ構図を決めてコサイン誤差などがあればフルタイムMFで微調整すれば全く問題ない。おそらく遅いと不平を言う方の多くは、超音波モーター「USD(Ultrasonic Silent Drive)」が無音で動作するあまり、ジージー音を出すレンズよりも感覚的に遅く感じるということにつきるのだと思う。

 

 機材はなんでもそうだが使い手の技量しだいでその評価はいくらでも変化する。ともあれ自分は鉄道や激しい動きモノなどを撮らないからかAFに関しては不満はないどころか、かえって高得点をつけたいくらいだ。それに約3段分の手ブレ補正は本当に心強い。当初45ミリくらいならオマケ程度に思っていたが、手ブレ補正が活躍するシーンがかなりあった。1/2secなら安心してきることが出来る。5Dmark3でも1/10あたりになるとこの手ブレ補正が本当に安心できる。

 

■神がかった描写

 

 独特な描写を求めてオールドレンズを使う方は多いと思うが、独特な滲みのタンバールや開放での渦状ボケが幻想的なプラナー50/1.4、このレンズはどれにも属さない。しっかり現代のデジタル向きレンズでありながら開放ではとろけるようなマイルドな描写は非常に独特である。ここがシグマのArtシリーズの優等生的描写と変わって、少し癖がありつつも芯はしっかり残す描写がなんとも言えない。

 

 自分は645を持っているのでそこまで解像度を求めることはないが、絞りf4あたりから画面全体がしまって十分な解像度を得られる。開放でのならではの味をたのしみつつ、場合によってはかっちりと切り取れる。このタムロン45/1.8は「〜に似ている」ではなく、このレンズならではの独自性がある。ここらがシグマのArtシリーズと少し異なる点なのではないかと思う。

 

 最短距離29センチというのもポートレートにもうってつけのメリットだ。デジタル時代にここまで個性溢れるレンズは珍しいのではないだろうか。

 

 

 

■フリンジの発生

 

 結構見る意見としてフリンジが出やすいという意見がある。これに関して私は、「ほぼ同じ意見」である。とはいえその出る撮影条件はタムロンの45/1.8だから出るのではなく、ほぼ違うレンズでも出やすいような状況であることを追記しておく必要がある。なんでもない状況でこのレンズだからフリンジが出る、というようなことはまずない。

 

 先のAFも含めこういうのはデジタル時代、撮影者のスキル次第でどうにでもなる問題ゆえある意味撮影者を選ぶレンズなのかもしれない。なら私が思うデメリットは何かという点を考えてみよう。

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、思いつかない。

 

 本当に出てこない。もっと数万カット撮影すれば出てくるかもしれないが、開放付近での透明感ある描写、性格なAF、文句の付けようがない神レンズである。一つ自分が「OVFである程度重いカメラのほうが被写体と向き合える」という前提があるが、久しぶりに素晴らしいレンズに出会った。もっと多くの方に使って欲しいレンズである。

 

 

 

 また撮影を重ねたらレビュー#2を記したいと思う。

築地場外市場

Picture of a Day

 

多摩川